FXのやり方始め方

フィボナッチ数列の一般項

フィボナッチ数列の一般項
【書籍刊行のお知らせ】
結城浩です。いつもご愛読ありがとうございます。
書籍化第一弾として『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』が 2013年7月に刊行されます。ぜひ応援してくださいね!

なお、書籍化第二弾は2013年12月刊行の予定です。

フィボナッチ数列の一般項と差分法

フィボナッチ数列の一般項をf(x)とおくと、f(x+2)=f(x+1)+f(x) f(1)=f(フィボナッチ数列の一般項 2)=1である。 さて一般に、未知の関数f(x)に関するf(x+2)+Af(x+1)+Bf(x)=0を線形2階同次差分方程式という。Δ^2f(x)=Δ=f(x+2)-2f(x+1)+f(x)であるから、原式は、 Δ^2f(x)+kΔf(x)+Lf(x)フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 =0の形にかけ、線形2階同次というのである。この方程式は 線形2階微分方程式と同様の手法で解ける。 いま、2次方程式λ^2+Aλ+B=0の2根をα,βとすると (1)α=βのとき A=-2α,B=α^2 よって原式はf(x+2)-2αf(x+1)+α^2f(x)=0となる。 これをα^(x+2)でわって、1/(a^x)f(x)=g(x)とおくと、g(x+2)-2g(x+1)+g(x)=0を得る。 すなわち、Δ^2g(x)=0 よってg(x)=c1x+c2,f(x)=a^x(c1x+c2)となる。 (2)α≠βのとき α^(x+2)+Aα^(x+1)+Bα^x=0よってα^xは原式の解となる。β^xも同様である。 ところで、線形2階差分方程式の一般解は1次独立な2つの解の1次結合で表されるから(微分方程式の場合と同様),f(x)=c1α^x+c2β^xとなる。フィボナッチの場合は、λ^2-λ-1=0よりα=(1+√5)/2 β=(1-√5)/2を得るから、一般解はf(x)=c1^x+c2^xとなる。 ここでf(フィボナッチ数列の一般項 1)=f(2)=1よりc1=-c2=1/√5を得るのである。 以上の解説で、フィボナッチ数列の一般項は、f(x+2)=f(x+1)+f(x)であるから、λ^2-λ-1=0を満たすλで等比数列を作る、のは高校生で習うような解き方だと思うのですが、この解説では、2次方程式λ^2+Aλ+B=0の2つの解をα,βとして場合わけして解いています。最初にλ^2+Aλ+B=0を使い、λ^2-λ-1=0を使わない理由を教えてください。また、 (2)α≠βのときα^(x+2)+Aα^(x+1)+Bα^x=0となっているのがわかりません。自分はα^2+Aα+B=0なら納得できるのですが、どなたか解説が正しいことを説明してください。 y”=0 ⇔ y’=C1 ⇔ y=C1x+C2 や (フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 C1α^x+C2β^x)”+a(C1α^x+C2β^x)’+(C1α^x+C2β^x) =C1(α^x”+aα^x’+bα^x)+C2(β^x”+aβ^x’+bβ^x)=0などは納得できました。

質問者が選んだベストアンサー

α^2+Aα+B=0 両辺にα^xをかけると (α^x)α^2+Aα(α^x)+Bα^x=0 α^(x+2)+Aα^(x+1)+Bα^x=0 λ^2+Aλ+B=0を使い、 λ^2-λ-1=0を使わない理由は 一般化のため

質問者からのお礼 2018/06/19 04:17

関連するQ&A

つぎのようにNフィボナッチ数列を定義します。ただしNは自然数。 F(1)=F (2)=...=F(N)=1 F(N+n)=F(N)+F(N+1)+...F(N+n-1) (n≧0)-(1) またx^N=Σ[k=0~N-1]x^kのN次方程式のN個の解をA1,A2、...ANと名付けます。 N=2のとき フィボナッチ数列になりますが、 (1)を変形してF(n+2)=(A1+A2)F(n+1)-A1A2F(n) よって F(n+2)-A2F(n+1)フィボナッチ数列の一般項 =A1{F(n+1)-A2F(n)} F(n+2)-A1F(n+1)=A2{F(n+1)-A1F(n)} 2つの漸化式ができて、ともに右辺を等比数列の和として計算できますので 2つを連立して、F(n+1)について解くと一般項が得られます。 N=3のときも同様にして、一般項が求まります。 そこでNが任意の自然数でもこれは成り立つのでしょうか? 解と係数の関係からN個の連立方程式が導けるとしてもよいのでしょうか? どなたか教えてください。お願いします。

フィボナッチ数列の閉じ方についての質問なんですが、 Fn=F_(n-1)+F_n-2 として r^n=r^(n-1)+r^(n-2) とおいて r^2=r+1となりこれをとくと 解が二つでて(タイプが面倒くさいのでαβとします) F_n=(α^n-β^n)フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 /√5…(1) となるというのですが、ルート5は初項からきまるんですよね? あとαβともにr^n=r^(n-1)+r^(n-2)を満たすのはわかるのですが、なぜ(1)式になるのかがいまいちわかりません。 簡単でいいので説明お願いします

難しすぎてよくわからないので質問します。 いろんなサイトを見てもよくわからなかったので分かりやすい回答おねがいします。 みなさんから見れば、なぜこんなことも分からないの、なにを言っているの?と思うのかもしれませんが、丁寧に解説してくれるとありがたいです。 非同次方程式の一般解=同次方程式の一般解+非同次方程式の特殊解となるようですが、 なぜこれが成り立つのかわかりません。 いろんなサイトみたのですが、数式がいっぱい書いてあってなにがなんだかわからない状態です。 まだ、変数分離の解法しかやっていないので、難しいことを言われても分からなくなってしまいます。 まず、1階線形微分方程式は、dy/dx+f(x)y=g(x)などのように表されるということは分かりました。 そしてこのg(x)を0としたものが非同次となるわけですよね。 つまり、dy/dx+f(x)=0です。 そしてこの解法として、まずy=u(x)が同次方程式の一般解としようと書いてあります。 ですが、もうこの時点でよくわからないです。 なぜ一般解としようと考えたのかってとこに疑問があります。 特殊解でもなく、なぜ一般解なのかということです。 そして、これを代入すると、du(x)/dx+f(x)u(x)=0となるのはわかります。 ただ代入するだけなので。 次に、y=v(x)を非同次方程式の特殊解としようと書いてあります。 でもなぜ非同次方程式の特殊解にするのかわかりません。 同次方程式の特殊解と考えてはだめなのかと思ってしまします。 まさか適当においたとも思えませんし。 なにかの考えがあってのことだと思いますし。 ようするに、なぜこのようにおいたのか、道筋というか目的ってのがよく見えないのです。 いったいなにをやっているのか。 たぶん一般解と特殊解の関係?みたいなのがわかっていないので、悩んでいるような気がします。 つまり、 非同次方程式の一般解=同次方程式の一般解+同次方程式の特殊解とおくことはできないのかと。 質問の意味あまりわからないかもしれませんが、すいません。 わからなすぎて、なにが分からないのかもわからない状態で。 丁寧に解説してくれるとありがたいです。

数列{F_n}で、F_0=0、F_1=1が与えられていて、3項間の関係 F_(n+2)=F_(フィボナッチ数列の一般項 n+1)+F_nを満たすとき、フィボナッチ数列で、一般項も求まります。 これがF_0、F_1、F_2が与えられて、4項間の関係 F(n+3)=F_(n+2)+F_(n+1)+F_n を満たすとき、一般項は求まるのでしょうか。

フィボナッチ数列を関数に… フィボナッチ数列の一般項は Fn=(φ^n-(-φ)^n)/√5 (ただし、φは黄金比) で表されますが、それを f(x)=(φ^x-(-φ)^x)/√5 と関数で考えます。するとそのグラフは点々のグラフになります。 f(1)=1、f(2)=1、f(3)=2、f(4)=3、f(5)=5… それをどうにかして、連続したグラフにできないでしょうか? 特徴として ・どのx(実数)をとってもx+1に関数が存在する。 ・lim(x→∞)f(x+1)/f(x)=φ があげられると思います。 できるかできないかだけでも良いですので、回答よろしくお願いします。

dx/dt=a^2-x^2 (aは実数の定数) (1)この微分方程式は1階の線形同次・線形非同次・非線形のどれにあてはまるか。 (2)この微分方程式の一般解を変数分離法で求めよ。 考えたことは(1)は非線形だと思いますが、合っていますか? (2)はdx/(x^2-a^2)フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 =-dtと変形し、両辺積分します。 すると、1/(2a)log(|x-a|/|x+a|) = -t + C このあとx=が分からないです。 教えてください。お願いします

dy/dx = (a+by)(c(x)+d(x)y) ここで、a,bは定数、c(x),d(x)はxの区間Iで連続とする。 (1)この微分方程式は、変数変換y = 1/b(1/z - a)により次の線形微分方程式に変換されるという。 dz/dx = f(x)z + g(x) をf(x),フィボナッチ数列の一般項 g(x)をa,b,c(x),d(x)を用いて表せ。 ********************************************* これはf(x) = ad(x) - bc(x) フィボナッチ数列の一般項 g(x) = -d(x) として答えがでました。 ********************************************* (2)a = b = 1,c(x) = x + 2/x , d(x) = xとするとき、微分方程式の一般解を求めよ。 dz/dx = -2z/x -x という式になると思うんですけど一般解をどう導き出していいのか分かりません。よろしくお願いします。

2階の線形差分方程式 x(n+2)-a*x(n+1)-b*x(n)フィボナッチ数列の一般項 =0 は特性方程式の2解をαとβとおくと、 α≠βのとき x(n)=A1*α^n+A2*β^n (1) となり重解のとき、 x(n)=A1*α^n+A2*n*α^n (2) となりますが、両式の違いであるnは どのように導かれたのでしょうか。 またA1とA2の求め方も教えてもらえると助かります。 お願いします。

1 一般解で、nが無限大なれば Fn/Fn-1は、如何なる値に近づくか。またnが、マイナス無限大になればいかなる値にちかづくか。 2 フィボナッチ数列の一般解は、nが整数でなく実数値の場合、複 素数が現れる。nが1/2の場合の解の値を、代入して求めよ。 回答と解説お願いします

フィボナッチ数列の一般項が整数になる理由

さて、定義から明らかなように、フィボナッチ数列の一般項は有理数です。
それなのに、一般項を表す式には無理数が登場します。
これ如何に。
考えてもみれば簡単なことで、を展開して整理すると、上手い具合に整数の項が消え、の形をした項だけが残ります。
したがって、それらをで割ってやれば無理数が消える、というわけです。
それならば。
フィボナッチ数列の一般項を、無理数を使わずに表してみましょう。
それが今回の一つ目のお題。前振りが長かったですね。

…(4)
と、なります。
ここで、は、n+1以下の最大の整数を表します。
何故こんな表記を用いるかというと、0からnまでの間に奇数がそれだけあるからです。
そして、(4)を(3)に代入すると

…と、いきたいところなのですが、まだ問題があります。
実は、上の式からはフィボナッチ数列の一般項が有理数になることは分かっても、整数になることまでは明らかではないのです。
どうしましょう。
上の式から考えるととても難しそうなので、初心に帰って
…(3)
から考えます。
ここからが、今回の二つ目のお題です。

(3)が整数であることを証明するには、
がで割り切れることを示せば良いのです。
証明は、数学的帰納法によります。
n=1のとき、

よって成り立つ。
n=1からkまで、成り立っていると仮定すると
がで割り切れます。
このとき、

とおくと
…(5)
ここで、帰納法の仮定よりはで割り切れ、さらにであることから、(5)はで割り切れます。
よって、がで割り切れることを証明するには、がで割り切れることを示せば充分です。


…(6)
仮定よりはで割り切れるので、(6)はで割り切れる。
証明終わり。

ちなみに、ここでの数学的帰納法は、厳密には高校で習うようなタイプのものではありません。
高校では
1)n=1のときに成り立つ
2)n=kのときに成り立つならばn=k+1のときに成り立つ
という二つの事実を示してから、よって任意のnについて成り立つ、と結論付けるのですが、ここでは
1)n=1のときに成り立つ
2)n=1からn=kまで成り立つならばn=k+1のときに成り立つ
という二つの事実を示してから、よって任意のnについて成り立つ、と結論付けるものです。 フィボナッチ数列の一般項
どっちにしても同じことなのですが。

フィボナッチ数列の一般項を計算する(※ただし有理数に限る)

さて、この FibNum こと Rational の二要素からなるタプルは、左に \( \sqrt \) が付かない項を、右に \( \sqrt \) が付く項を格納することしよう。つまり (1, 1) と書けば \( 1 + \sqrt \) のこと。 (0, 1) と書けば \( \sqrt \) のこと。 (1 % 2, 1 % 3) と書けば \( \frac + \frac \sqrt \) のことを表す。

式を書き下す

OK。さすがにちょっと見づらいがまあ仕方ない。でも fibDiv として素直に除算を除算のまま書き下してしまった。除算は \( 0 \) で割れないとか面倒なこともあるので、乗算の形にしておきたい。

まず、 (1, 1) `fibDiv` (2, 0) は要するに \( \frac> \) のことだが、こんなものは \( \frac + \frac\sqrt \)、つまり (1 % 2, 1 % 2) としてしまえば良い。

後ろ側の \( \sqrt \) で割る処理は、逆数であるところの \( \frac<\sqrt> \) 、つまり \( \frac<\sqrt> \) を掛ければ良い。\( フィボナッチ数列の一般項 フィボナッチ数列の一般項 \frac<\sqrt> \) ってことは \( 0 + \frac\sqrt \) だから、ここでの表現では (0, 1 % 5) ってことだ。

演算子を実装する : 累乗

\( n \) が大きいとそのまま \(n – 1\) 回の乗算をすることになってちょっとばかり遅い。二乗の結果が使えるところはどんどんそれを使って計算させることにしよう。乗算の回数が最大でも \( 2 \log \) 回で済む。

演算子を実装する : 乗算

FibNum の乗算とは何かと言うと、\( (a + b\sqrt)(c + d\sqrt) \) ってことで、つまり、

\begin & & (a + b\sqrt)(c + d\sqrt) \\ &=& ac + ad\sqrt + bc\sqrt + 5bd \\ &=& (ac + 5bd) + (ad + bc)\sqrt \end

神秘「フィボナッチ数列」とは?|ウサギのつがいの問題と黄金比との関連も解説

仲の良さそうなうさぎのつがい

仲の良さそうなうさぎのつがい / credit:Unsplash

1202年の著作『計算の書』には、「ウサギのつがいの問題」と呼ばれている有名な問題が掲載されています。実は、この本の著者であるレオナルド・ピサノは、現在では「フィボナッチ」の名で知られている数学者です。

それでは0ヶ月後~4ヶ月後について、一つずつ具体的に考えてみましょう。

0ヶ月後には、最初に存在する1つがいのウサギしかいません。そのため、合計1つがいです。

1ヶ月後には、最初に存在する1つがいのウサギが生後1ヶ月となります。まだ、子どもを産まないので、合計1つがいです。

2ヶ月後には、最初に存在する1つがいのウサギが生後2ヶ月となり、子どもを1つがい産みます。したがって、2ヶ月後にいるウサギのつがいは、

合計2つがいです。

3ヶ月後には、最初に存在する1つがいのウサギが生後3ヶ月となり、子どもを1つがい産みます。

合計3つがいです。

4ヶ月後には、最初に存在する1つがいのウサギが生後4ヶ月となり、子どもを1つがい産みます。

合計5つがいです。

表:うさぎのつがい問題0ヶ月〜4ヶ月

表:うさぎのつがい問題0ヶ月〜4ヶ月 / credit:Wikipedia「フィボナッチ数」(表のデザインはナゾロジー編)

以上を合計すると、2+3+3つがい、つまり、5ヶ月後は合計8つがいとなるのです。

表:うさぎのつがい問題5ヶ月

表:うさぎのつがい問題5ヶ月 / credit:Wikipedia「フィボナッチ数」(表のデザインはナゾロジー編)

第36回 いとしのフィボナッチ(後編)

【書籍刊行のお知らせ】
結城浩です。いつもご愛読ありがとうございます。
書籍化第一弾として『数学ガールの秘密ノート/式とグラフ』が 2013年7月に刊行されます。ぜひ応援してくださいね!

なお、書籍化第二弾は2013年12月刊行の予定です。

一つずらした自分になる

「だから、フィボナッチ数列というのはこういう数列になる。この数列を研究してみよう」

ユーリ 「うん」

「数列の研究ではまず — —」

ユーリ 「《階差数列を求める》んでしょ! ユーリ、やってみる!」

フィボナッチ数列の階差数列を求める

フィボナッチ数列の一般項 ユーリ 「へえっ! おもしろい! フィボナッチ数列は — —階差数列を求めると、一つずらした自分になるんだね!」

フィボナッチ数列の階差数列は、一つずらした自分になる

「確かにおもしろいな、その発見」

ユーリ 「だよね! ……あれ? でもこれはあたりまえかにゃ?」

「あたりまえというと?」

ユーリ 「だってさ、フィボナッチ数列って、二つ足したら次になるんでしょ? だったら、差をとったら一つずらした自分になるのはあたりまえじゃん」

「まあ、あたりまえといえばあたりまえなんだけどね。簡単な式変形でわかるよ」

ユーリ 「これでなんで《わかるよ》って言えんの?」

「だって、ほら、左辺の $F_ - フィボナッチ数列の一般項 F_$ という式は添字の部分をよく見ると、隣り合っている二つの項の差を取っていることがわかるよね。つまり階差を求めているわけだ」

ユーリ 「ほー」

「そして右辺の $F_n$ という式はフィボナッチ数列の一般項、つまり第 $n$ 項だよね。だから、この式 $F_ - F_ = F_n$ は《階差を取ると自分になる》ということを表現している」

ユーリ 「してないよ」

「え?」

ユーリ 「《階差を取ると自分になる》じゃなくて、《階差を取ると一つずらした自分になる》でしょ? だって、ほんとの階差なら $F_ - F_$ じゃなくて、 $F_ - F_n$ のはずだもん」

「あ、そ、そうだね。その通りだ」

ユーリ 「階差が自分になったら、 $2$ のべきじょうになっちゃうし」

「ユーリはよくそういうのを見つけるよね」

ユーリ はめんどうくさがりだけれど、妙なところできっちりミスを指摘するんだよな……)

ユーリ 「ねーお兄ちゃん。そんなことより、気になることあんだけど」

「なに?」

ユーリ 「ユーリがね、一つずらした自分になるって言ったときにね、お兄ちゃん、すぐに数式を出してきたじゃん?」

「ん? まあ、そうだね」

ユーリ 「あれはなんで?」

「なんでと言われても困るけど……」

ユーリ 「あのね、なんでお兄ちゃんはすぐに数式を出したの? 出そうと思ったの?」

「それは……きちんと答えるのは難しいな。まず、数列について何か確かなことを言おうとしたら、 たいていの場合は、数式を使うしかないからだよ。 《フィボナッチ数列の階差数列は一つずらした自分》を確かめるために、 フィボナッチ数列の定義の式を持ち出してきたんだ」

ユーリ 「……」

「ねえユーリ。お兄ちゃんはね、数学をするとき、具体例を作って考え、数式を使って確かめるのが好きだ。 学校の勉強のときもそうだし、自分で好きな数学の本を読むときもそうだよ」

ユーリ 「具体例を作って考え、数式を使って確かめる……」

「そう。だから、なんていうのかな — —数学で数式を使うのは《いつもやってること》なんだよ。だからユーリがフィボナッチ数列について見つけた発見も、 《数式を使って確かめよう》とすぐ思った。それは、いつもやってること、あたりまえのことなんだ」

ユーリ 「ふーん……」

「水を飲むのに蛇口をひねるとか、ご飯を食べるのにお箸を持つとか、数学で数式を使うっていうのはそのくらい自然なことかもしれないよ。 フィボナッチ数列の一般項 もちろん場合によっては手で水をすくって飲むことも、おにぎりを手で食べるということもあるけれどね」

ユーリ 「へー……」

いつも大きく?

「それにしても、フィボナッチ数列の階差数列を取ると一つずらした自分になるっていう《ユーリの発見》は、とてもおもしろい発見だと思うよ」

ユーリ 「だよね。ところでさ、お兄ちゃん」

「なに?」

ユーリ 「等差数列とか、等比数列とか、フィボナッチ数列とかいろいろ教えてくれたけど、いつも大きくなるばっかりじゃん? 他の数列を考えてもいーよね」

「等差数列がいつも大きくなるとは限らないよ。この数列は等差数列だけど、だんだん小さくなってる」

$$ 100, 99, 98, フィボナッチ数列の一般項 97, 96, 95, \ldots $$

ユーリ 「あ、そっか。この数列は $0$ で終わるの?」

「いやいや、そこから先はマイナスに突入する」

$$ 100, 99, 98, 97, 96, 95, \ldots, 2, 1, 0, -1, -2, -3, \ldots $$

ユーリ 「あー、そりゃそっか」

「小さくなる等差数列は 公差 ( こうさ ) フィボナッチ数列の一般項 がマイナスだってことだね。それは階差数列を調べてみれば一目瞭然だ」

ユーリ 「ふむふむ」

「等比数列でも小さくできる。公比を $1$ より小さな正の数にすればいい。たとえば $\frac$ とかね」

フィボナッチ数列の一般項 ユーリ 「あ、そっか。それで小さくなるか。公比がマイナスでも小さくなっていくよね」

「いやいやだめだよ。公比がマイナスなら、小さくなったり大きくなったりする」

ユーリ 「なんで……あそっか!』

「公比がマイナスだと、かけるたびに正の数と負の数が交互に反転するからね」

ユーリ 「そーか、そーだね……ねーお兄ちゃん。もっと変な風に大きくなったり小さくなったりする数列作ってよ!」

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